九州における酒米の主な種類と特徴

日本酒の豆知識

ご存知の通り、酒造りに向くように開発された米を「酒造好適米」または「酒米」と呼びます。
精米歩合70~35%まで削るため、高度の精米に耐えるよう、大粒で心白がしっかりした均質のもの。 そして、割れたりせず目標の吸水率に設定しやすい事などの、多くの性質を併せ持つ酒造好適米によって、高品質なお酒が生まれます。

今回は九州における酒米の主な種類(5種類)と特徴を、簡単ですがご紹介いたします。

●山田錦
酒米の王者といわれるのが、「山田穂」を母に「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」を父に、兵庫県で開発された「山田錦」酒造好適米として全てに優れているうえに、膨らみがありながらもスッキリとした上品な味わいに仕上がります。特に大吟醸酒を造る際にその魅力を発揮すると言われています。

●雄町
山田錦と並び称される酒米。「雄町」は一切掛け合わせなしの原種で日本最古と言われています。米の旨味と共に上品な酸味を愉しめる「雄町」にはコアなファンが多く「オマチスト」と呼ばれています。多彩でバラエティーに富んだ味わいになる事から『蔵の個性を表現できる酒米』として全国の酒蔵からも人気があります。

●壽限無
平成24年に新しく酒造好適米として登録されたのは、「山田錦」を父に「夢一献」を母に誕生した新品種「壽限無(じゅげむ)」心白が大きくて柔らかい性質を持っているので麹米にしやすく雑味のないお酒に仕上がります。燗につけても美味しいです。

●吟のさと
吟醸酒の麴米に向く高品質酒米。稲穂が短く栽培しやすい、九州に適した品種です。「山田錦」の酒米品質を保ちつつ、栽培特性の向上を目指し開発されました。「吟のさと」を原料とした九州発の日本酒は、口当たりが優しく繊細な飲み口が魅力です。

●五百万石
新潟県の端麗辛口のお酒の一端を担う「五百万石」は、その名の通り新潟県の米生産量が五百万石を突破したことから名付けられました。「山田錦」が「西の横綱」と呼ばれるのに対して、「五百万石」は「東の横綱」と呼ばれ、スッキリとしたキレの良さが特徴です。